iOS 27でSiriが変わる—Applebotの動き方と今後の展開
Appleが次期OS「iOS 27」で、音声アシスタントSiriをChatGPTのような対話型AIに刷新する計画を進めています。
コードネームは「Campos(キャンポス)」。GoogleのAIモデルGeminiを基盤に据え、今年6月のWWDC 2026で正式発表される予定です。
AI実験室#10では、AI観測ラボのサーバーログに記録されていたCSS×6・JS×6という取得パターンから、Applebotだけがブラウザ相当の環境でページ全体をレンダリングすることを確認しました。
AIクローラーはHTMLしか読まない——ただApplebotだけは違った【AI実験室 #10】
SiriがAIとして生まれ変わるとき、その回答を支えるのがApplebotのクロールです。今回はiOS 27の動向を起点に、Applebotが今後どう動いていくのかを整理しました。
この記事でわかること|📖:約7分
- iOS 27でSiriがどう変わるのか(Campos・Gemini・WWDC)
- Siriの回答とApplebotのクロールがどこで繋がるのか
- Applebot-Extendedの拒否率がまだ6%しかない現状
- WWDC前にサイト運営者が判断しておくべきrobots.txtの設定
iOS 27でSiriに何が起きるのか
Appleは2026年6月8日開幕のWWDC 2026で、Siriの全面刷新を正式発表する予定です。開発コードネームは「Campos(キャンポス)」。従来の音声操作の枠を超え、メールや写真、カレンダーといった主要アプリと連携しながら複雑なタスクを代行する、対話型AIへの転換です。
基盤モデルにはGoogleのAI「Gemini」を採用します。Appleがこれほど大規模に外部モデルを採用するのは初めてで、自前主義からの大きな転換といえます。
iOS 27では、ChatGPT以外のサードパーティAI——ClaudeやGeminiをユーザーが選択できる設計も検討されています。Siriが複数のAIへの「入口」として機能するプラットフォーム化の動きです。
皮肉なことに、検索市場で長年対立してきたGoogleのインフラに頼る形となりました。AI開発の競争軸が「モデルの賢さ」から「インフラの安定性とコスト」へ移ったことが、この決断の背景にあります。

SiriとApplebotはどこで繋がるのか
Siriが対話型AIに変わっても、Web上の情報を集める役割はApplebotが担います。Apple公式ドキュメントには「Applebotによってクロールされたデータは、Spotlight・Siri・Safariに組み込まれた検索テクノロジーを強化するために使用される」と明記されています。
AI実験室#10で確認したCSS×6・JS×6の取得パターンは、まさに上記の文脈で意味を持ちます。Siriが高度な対話型AIになるほど、回答の精度はクロール時の読み取り精度に直結します。
JavaScriptで動的に生成されるコンテンツも、CSSで表示・非表示が切り替わる要素も、Applebotはすべて取得できる設計になっています。
GPTBotやClaudeBotがHTMLのみを取得して終わるのに対し、ApplebotはGooglebotと同等の読み取り能力を持つクローラーです。Siriの刷新が進むほど、このレンダリング能力の差がサイトの露出に影響してくる可能性があります。

Applebot-Extendedの拒否率はまだ6%——ほとんどのサイトが気づいていない
ApplebotがSiriとApple Intelligenceの両方に接続されていることは、サイト運営者にとって「クロールを許可するかどうか」だけでなく、「AI学習に使わせるかどうか」という二段階の判断が必要になったことを意味します。この制御を担うのがApplebot-Extendedです。
カナダのAI検知スタートアップOriginality AIがトラフィックの多いWebサイト1,000件を分析したところ、Applebot-Extendedをブロックしているサイトは約6〜7%にとどまっていました。
AI学習への利用を拒否できる仕組みがあるにもかかわらず、ほとんどのサイト運営者がその存在を知らない、あるいは設定していない状態です。
Google-Extendedの拒否率が43%に達しているのと比べると、認知度の差は明らかです。

すでにNYタイムズ・Financial Times・WIREDといった大手メディアはApplebot-ExtendedをブロックしてAI学習への利用を拒否しています。一方で個人・中小サイトの多くは、選択肢があること自体を知らないまま学習データとして使われている状況です。
Applebot-Extendedはクロール自体は行いません。robots.txtに以下を追記するだけで、AI学習への利用だけをオプトアウトできます。SpotlightやSiriの検索結果への表示は維持されます。
User-agent: Applebot-Extended
Disallow: /
サイト運営者が今判断すべきこと
iOS 27の正式発表はWWDC 2026(6月8日〜)です。Siriの刷新内容が明らかになる前に、Applebotへの対応方針を決めておくことをおすすめします。選択肢は3つです。

パターン1:何もしない(現状維持)
robots.txtにApplebotの記述がない場合、ApplebotはGooglebotへの指示に従います。Googlebotを許可していれば、Applebotも自動的に許可された状態です。クロールもAI学習への利用も、両方を許可することになります。
パターン2:クロールは許可、AI学習だけ断る
SpotlightやSiriの検索結果への表示は維持しながら、Apple Intelligenceの学習利用だけを※オプトアウトする設定です。現時点でAI学習へのデータ提供に慎重なサイト運営者には、最もバランスの取れた選択肢といえます。
※オプトアウトとは「使用しないよう申告する」という意味です。ここではAppleがサイトのデータをAI学習に使うことを断る手続きを指します。
User-agent: Applebot
Allow: /
User-agent: Applebot-Extended
Disallow: /
パターン3:クロール自体を拒否する
ApplebotによるクロールをすべてブロックするとSpotlightやSiriの検索結果に表示されなくなります。Apple製品ユーザーへの露出がなくなるため、よほどの理由がないかぎり選ぶ必要はありません。
User-agent: Applebot
Disallow: /
CSS・JSはブロックしない
Applebotはレンダリングを行うクローラーです。robots.txtでCSSやJavaScriptをブロックしていると、ページを正しく読み込めずインデックスの精度が下がる可能性があります。Googlebotと同様に、CSS・JavaScriptはApplebotにも開放しておくことが出発点です。
robots.txtの基本的な書き方はAIクローラーの許可・拒否設定【robots.txt実例付き】で詳しく解説しています。
まとめ
iOS 27でSiriが対話型AIに変わるとき、その回答を支えるのは引き続きApplebotのクロールです。AI実験室#10で確認したCSS・JSまで取得するレンダリング設計は、高度化するSiriを支えるための基盤として意味を持ちます。
Applebot-Extendedの拒否率はまだ6%にとどまっています。Google-Extendedの43%と比べると、多くのサイト運営者が選択肢の存在に気づいていない状況です。WWDC 2026(6月8日〜)でSiriの刷新内容が正式発表される前に、robots.txtの方針を一度確認しておくことをおすすめします。
6月のWWDC発表後、Applebotの動きに変化が出るかどうかをサーバーログで引き続き観測していきます。
- iOS 27でSiriは対話型AI「Campos」に刷新される(WWDC 2026・6月8日〜正式発表予定)
- Siriの回答を支えるのはApplebotのクロール——レンダリング能力の差がサイト露出に影響する可能性がある
- Applebot-Extendedの拒否率は6%——Google-Extendedの43%と比べて認知度が低い
- クロールは許可しながらAI学習だけ断る設定がサイト運営者にとって現実的な選択肢
Applebotの基本的な動き方と実測データはAIクローラーはHTMLしか読まない——ただApplebotだけは違った【AI実験室 #10】で詳しく解説しています。robots.txtの設定方法はAIクローラーの許可・拒否設定【robots.txt実例付き】をあわせてご覧ください。
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